イベントは、実験室だった。
最近、初心者向けの葉巻イベントを何度か開催している。
最初は「葉巻のおいしさを知ってもらう会」くらいに考えていた。
でも回数を重ねるうちに、少し違う景色が見えてきた。
葉巻は、入口に過ぎないのかもしれない。
最初の10分は、だいたい苦い。
今回の参加者は全員初心者。
最初に出てきた感想は、驚くほど似ていた。
「苦い。」 「辛い。」
葉巻好きなら当たり前だと思っている「甘さ」や「ナッツ感」は、この段階ではほとんど伝わらない。
しかし、ある参加者は20分ほど経った頃に突然、
「納豆を食べた後みたいな、うま味がある。」
と言った。
その人はイベント後、自分で葉巻とカッターを購入して帰った。
葉巻にハマる瞬間を、初めて目の前で見た気がした。
ハマらないことも、成功かもしれない。
一方で、最後まで「苦い」という印象が変わらなかった参加者もいた。
そこで着香タイプの煙草を勧めると、とても良い反応だった。
その時ふと思った。
「プレミアムシガーを好きになってもらうこと」だけが、このイベントのゴールではない。
その人にとって煙草の時間が少し豊かになれば、それでも十分なのではないか。
講師ではなく、ファシリテーター。
今回は葉巻について説明し続けるのをやめてみた。
代わりに、
「初めて吸った煙草って覚えてます?」
そんな話を投げかける。
すると参加者同士で思い出話が始まり、煙草を交換し合い、笑い声が聞こえてきた。
葉巻の話より、自分たちの話をしている時間の方が長かったかもしれない。
でも、その空気がすごく良かった。
売るものは葉巻だけじゃない。
このイベントを始めた頃は、
「葉巻愛好家を増やしたい。」
そう思っていた。
今は少し考え方が変わった。
葉巻はきっかけであって、目的ではない。
誰かは葉巻を好きになるかもしれない。
誰かは着香煙草を好きになるかもしれない。
誰かは新しい友人ができるかもしれない。
誰かは「また来たい」と思うかもしれない。
それでいい。
煙草を通して、その人の時間が少し豊かになる。
そんな体験を持ち帰ってもらえる場所を作ることの方が、ずっと面白い気がしている。
イベントを重ねるたびに思う。
私はイベントを運営しているというより、小さな実験をしている。
人は、何をきっかけに嗜好品を好きになるのか。
人は、どうすれば知らない人同士でも自然と話し始めるのか。
その答えは、まだ分からないが
だからこそイベントをやる意義を感じているので、
またやる。
そして、私は一生フィールドワークをしている気分だ。一種の学生気分。
しかし、学生気分もなかなか捨てたものではないかもしれない と思った
あっ経費は回収しましたよ🌠
大人だからね💓
そしてなんでこんな記事書いてるかって?
報告書書く前に振り返りをするためだよ
大人だからね💓




















